今回はクリステンセンらの著書「イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル 」を読んで、「これはイノベーターだけじゃなくて、投資家にも希望を与える本だわ」って思ったのでご紹介。


この本、基本的にはイノベーター向けに書かれた本ですが、著者はその中で『優れたイノベーターは「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」の4つの行動スキルを日常的に活用している。そして、その4つの行動スキルを発揮することで、「関連づける力」という認知的スキルを高め、イノベーションに活用している。』なんてことを書いています(詳しくは原書をお読み下さい)。


この「関連づける力」は「一見すると関係のないと思われる物事や質問から新しい関連を見出して意味付けする力」と書かれていて、そりゃ、イノベーターには必要だわって感じがします。

でも、この「関連づける力」ってなにもイノベーターにだけ必要な力じゃなくて、投資家にも求められている力なんじゃないかって思うんですよね。


例えば一つの例をあげると、今季、クリーニング業界の 白洋社(9731)の業績はいつになく絶好調てす。そして、原因の一端はアベノミクスにあるのですが、投資家としてその関連性を見出して、投資することが出来るか?ってのは投資のリターンに関係します。


このアベノミクスと白洋社の業績を関連づけることできますか?


答えは「アベノミクスによる資産効果で、富裕層の消費性向アップ→白洋社の顧客である高級ホテルの稼働率がアップ→白洋社の業績がよくなる」なんて言う、ある意味「風が吹けば桶屋が儲かる」的な展開で、今白洋社の業績は絶好調です。


決算発表が終わったあとに、この話を聞けば「そんなの予測できないことはない」って思うかもしれないけれど、それを決算発表前に関連性を見出せるか?っていうと、結構難しいと思うんですよね。


高級品が売れているのは直ぐに想像ができるので、そういった高級材を扱う企業が業績を伸ばすのが半ば織り込み済みでした。
でも、白洋社の上方修正はサプライズとして受け止められ、翌日は大幅高で取引が始まりました。
もし事前に投資できていれば大きな利益が得られたはずです。(勿論、自分はそんな関連づけできてませんが、、、)


これは一つの例ですが、こういった「関連づける力」を発揮することで、大きな利益を得るチャンスは広がるはず。


そして、幸いなことに、このクリステンセンの本によると、そういった「関連づける力」は前述した4つの行動スキル(「質問力」「観察力」「ネットワーク力」「実験力」)を鍛えることで、筋肉のように鍛えることができるらしいんですよ。


そう言われると、思い当たる節が結構あります。


個人投資家として有名なwww9945さんは最近出版した著書年収300万円、掃除夫の僕が1億円貯めた方法の中で街角ウォッチングの重要性を示していますが、まさしくそれはクリステンセンのいう「観察力」にあたるんじゃないでしょうか?


ピーターリンチはピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜けのなかで、妻から得られる情報によって有望な銘柄を発見することができると書いています。これは証券関係者とは異なる情報と言う意味では「ネットワーク力」に当たるのではないか?


また、例えば財務諸表をみながら、なぜこの会社の業績は回復しているのか?有形固形資産の増加は何を意味するのか?売掛金の急増の理由は何か?といった「質問力」を持つことは当然投資家に必要なスキルです。


勿論、イノベーターはその「関連づける力」によって新しいモノを『作り出す』のに対して、投資家はその「関連づける力」によって、企業の業績を『見出す』ので、全く一緒の力が必要とは厳密には言えないのかもしれません。


でも、投資家としてレベルアップを目指すのであれば、このクリステンセンの「イノベーターに必要なスキルは天賦の才ではなく、日常的の行動によって改善できる」といった趣旨の言葉は心強い言葉だと思うんです。


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